渡辺恒雄
「日本の首相の靖国神社参拝は、私が絶対に我慢できないことである」 今後誰が首相となるかを問わず、いずれも靖国神社を参拝しないことを約束しなければならず、これは最も重要な原則である。・・・もしその他の人が首相になるなら、私もその人が靖国神社を参拝しないと約束するよう求めなければならない。さもなければ、私は発行部数1000数万部の『読売新聞』の力でそれを倒す。

膳所狒々新報

寒々冷え冷えとしたニュースコメントブログ:旧名「冷凍力の膳所狒々日記3」

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資料 正社員地獄 ノンワーキング・リッチ

“アルバイト以下”の待遇に喘ぐ
若手正社員の悲惨な職場事情

 新卒採用で希望通りの企業から内定がもらえず、「とりあえず働き始めた」という就職氷河期世代は少なくない。社会に出てから数年が経ち、転職や正社員への転換でステップアップを考えている若者も多いだろう。

 しかし、募集が多く内定をとり易い職種や業界には、必ずと言っていいほど「辞めていく社員が多い理由」がある。人材ニーズが多いということは、裏を返せば社員を大切にしない会社が多いということだ。

 実際、正社員とは言っても、長時間労働を強いられたあげくに「賃金を時給計算するとアルバイト以下の水準」という会社も多い。そんな会社へうっかり就職してしまうと、まさに「名ばかり正社員」に身を落とすことにもなりかねないのである。

 実のところ、今やそんなケースは巷にゴロゴロある。名ばかり正社員とはいったいどんな境遇で働いている人々なのだろうか? 現在増え続けている「若者の悲惨な職場」の実態を紹介しよう。

基本給10~14万円のはずが
フタを開ければわずか8万円!?
 まずは、関西地方で生まれ育った宮田友子さん(仮名・27歳)のケース。友子さんは2002年3月に大学を卒業後、大阪で教育関連の大手出版社に正社員採用された。

 しかし、営業ノルマがきつく、4日間セールスのアポイントがとれないだけで、上司から「全国どこにでも異動できるよな」と退職勧奨を受け、入社4ヵ月で退職に追い込まれてしまった。

 そこで、「もう営業はこりごり。手に職をつけよう」と医療事務の資格をとるため、アルバイトをしながら勉強を始めた。04年春には医療事務の検定試験にパスし、ハローワークで病院の求人を探した。

 興味を持ったのは、 「基本給10~14万円、職能給4万円、皆勤手当て1万円、交通費別途支給」という個人経営の整形外科医院。1人暮らしのアパートから近かったこともあり、応募して採用された。

 ところが、就職して初任給をもらった時に愕然とした。

「基本給8万円? 求人広告と全然違う……」

 給与明細を見て強い不満を感じたものの、経験の浅い友子さんは院長に疑問をぶつけることができなかった。1年後、基本給は8万5000円になったが、それでも求人広告に示されていた額には遠く及ばない。

 3人いた看護師は次々に辞めて、今は看護師がいない状態。そのため、医療事務担当で受付けにいるはずの友子さんが看護師の代わりに診察室に入り、注射の準備までやっている。医療行為は行わないものの、「違法行為スレスレ」の業務を課せられたのだ。
http://diamond.jp/series/analysis/10042/
 かといって、それで給与が増えるわけでもない。あまりの激務に8キロも痩せてしまったという。

 月末に診療報酬明細書(レセプト)の記入業務などをする時期には、残業時間が特に増えて、終電近くまで仕事が続くこともしばしば。しかし、友子さんの病院では残業代は一律時給800円しかもらえない。

 これは明らかに労働基準法に違反しているが、従業員が指摘しても院長は「残業代を出してやっているだけありがたいと思え」と取り合わない。

 こんな状況だから、勤務年数5年目にして友子さんの現在の年収はわずか約220万円に過ぎない。正社員とはいえ、これでは派遣社員と同じ賃金水準である。NPO法人派遣ネットワーク(本部・東京都新宿区)によれば、06年の派遣社員の時給は全国平均で1327円、平均年収は226万3692円となっている。

 すっかり嫌気が差している友子さんだが、周囲を見渡せば、医療事務は派遣など非正規雇用化が進んでいる職種でもあり、病院を移ったところで明るい展望は見えない。友子さんは今、異業種に転職すべきかどうか真剣に悩んでいるという。

毎日18時間は下らない
恐るべき「超長時間労働」
 また、離職率が20~30%とも言われる居酒屋業界にも悲惨なケースが多い。マクドナルドの「名ばかり管理職」同様、労働環境はかなり厳しいのだ。

 菊池和夫さん(仮名・27歳)は都内の高校卒業後、居酒屋チェーンでアルバイトをしていた。3年後、21歳の時に居酒屋チェーンの社長から「新規出店するから、店長候補で社員にならないか」と誘われ、正社員となった。

 接客業にやりがいを感じていた和夫さんにとっては、魅力的な申し出だった。先が見えない時給900円のアルバイト生活からの脱出。しかし、ここから和夫さんの「恐るべき長時間労働の日々」が始まったのである。

 和夫さんは、ランチの仕込みのために毎朝10時には出勤する。ランチタイム終了後は、夜の営業のための準備。夕方、店がオープンすると深夜3時まで接客は続く。閉店後、後片付けを済ますと時計の針はすでに朝5時を回っているのが常だ。

「仕事の合間のちょっとした空き時間に店内で仮眠しても、18時間労働は下らない」と、和夫さんは憔悴し切った様子で語る。

 入社後半年は1日も休みがとれなかった。半年後、店長になると責任はさらに重くなった。急に休みを入れるアルバイトの穴埋めにも出勤しなければならないため、年に4日程度の休みしかとれないのが現状だ。
http://diamond.jp/series/analysis/10042/?page=2
 店長になると「月給35万円の固定制」とだけ説明され、残業代は全く支払われなかった。時給計算すれば、アルバイト時代の時給を割り込んでしまう。ほぼ365日、深夜までオープンしている居酒屋では、長時間にわたる深夜労働はどうしても避けられない。

「なんでこんな時間に仕事しているんだろう……」

深夜3時頃、時計を見ながら和夫さんはしばしば疑問を感じてしまう。

 こういった長時間労働は、なにも居酒屋業界に限ったことではない。裁量労働制による「みなし残業」で長時間労働やサービス残業が増えていること、非正社員の増加により正社員の時間外労働が増えているとことなどが、その背景にある。

 男女共同参画会議の「仕事と生活の調和に関する専門調査会」が07年に発表した報告書によれば、週60時間以上働いている労働者は全国平均で5人に1人、東京では3人に1人という状況だ。そのため、20~30代でも過労死する人が出てきている。疲れ切った社員の離職率は高まる一方だ。

 なかでも飲食業界の競争は激しい。和夫さんが籍を置く居酒屋チェーンも経営難に陥り、この夏から店舗のスクラップ&ビルドが始まった。

 和夫さんの店舗もスクラップされる候補に入っており、店長から副店長、あるいはヒラ社員への降格も避けられない。むろん業績が低迷して店がなくなれば、それで終わり。これでは日々の努力も虚しくて仕方がない。

 一方で、こういった「名ばかり正社員」の現状を冷静に見つめている学生も少なくない。

「学生アルバイトならいいけど、正社員として就職しようとは思わなかった」と断言するのは、大学4年生の小池真希さん(仮名・22歳)だ。

 真希さんは北関東で生まれ育ち、大学も実家から地元の大学に通っている。自宅付近に、有名な大手アパレルの店舗が新規出店したため、オープニングスタッフとして05年4月からアルバイトを始めた。理由は、「時給が高かったから」(真希さん)。

 地域の学生アルバイトの相場が時給800円なのに対し、大手アパレル店の時給は900円。オープン当初は準備に追われ、1日8時間、週5日シフトに入った。
http://diamond.jp/series/analysis/10042/?page=3
 接客、レジ打ち、品出しや陳列、ズボンの裾上げ……アルバイトでも正社員と同じ仕事を任せてもらえ、甘えが許されないことが楽しく思えた。社会人になった気分で仕事が楽しくて仕方なかった。

 アルバイトも正社員も3ヵ月ごとに業務チェックが行われ、仕事ぶりが評価される。真希さんは、3年後、社内ランクがアルバイトでは最高位まで昇格し、時給が1100円に増えた。同様に時給で働いている「準社員」よりも昇格し、一層のやりがいを感じたのだ。

 ただし、すべてがよいことばかりではない。同社では、アルバイトは完全なる雇用の調整弁。繁忙期にはどっと人数を増やし、閑散期には人数を絞り込むことで人件費を調整している。そのため、毎週シフトが組み替えられ、実際に働く前の週になってみないと、どれだけシフトに入ることができるかわからず、予定も立てられない。

 収入も増減が激しく、多い時は月20万円にもなったが、閑散期は月5万円程度だ。「いくら学生のアルバイトでも、これでは不安定すぎる」と、真希さんは釈然としない思いを抱え始めた。

名ばかり正社員続出の悲惨職場
「内定が取れればよい」は間違い
 それでも、雇用調整されるアルバイトがいる一方で、正社員になれば店長になって、高収入を得て……という明るい未来を描くことができるのかといえば、これもそうとは限らない。

 彼女の不安が強まったのは、全国で数百店舗のなかでトップクラスの成績を誇る店長が東北地方から異動してきたときのこと。「月に1日程度しか休みがとれず、年収は600万円ほど」と聞いて、ショックを受けた。

 真希さんが大学3年の頃、会社は「地域限定正社員」の制度を導入した。店舗でもアルバイトや準社員が地域限定正社員になっていったが、月給15万円と聞いた。交通費も支給されず、実家から通わなければ生活はギリギリだ。結局どの道を選択しても、時給計算ではアルバイトを下回ってしまう。

 本社から定期的に店舗を視察にくるエリアマネージャーからは、「卒業後はぜひ、うちの正社員になって欲しい」と言われたが、もはやその気にはなれなかった。

 収入もさることながら、女性が働き続けるには労働環境が悪過ぎる。繁忙期には、1日中品出しに追われて店舗を走り回る。本部から頻繁に新商品が送られてくるため、週に1度は重いシルバーのラックを組み替えて陳列レイアウトを変更しなければならない。商品もダンボールごと運べばかなり重い。全てが「体力勝負」の仕事なのである。

「この仕事は若いうちしかできない。女性はせいぜい40歳までが限界かな。『大量採用』『正社員登用』『明確な昇進ルール』という甘い言葉の裏には、何か理由があるものだ」と、真希さんは学んだ。そして、第1希望だった大手不動産会社から内定をもらい、そちらへ就職することに決めたのだ。

 世界的な金融危機に端を発する景気後退懸念により、ここ数年間、売り手市場が続いた日本の若者の就職・転職は再び厳しくなりつつある。そのため、うっかり「悲惨な職場」に就職してしまう「名ばかり若手正社員」は、今後ますます増え続けると思われる。

 こんなご時勢だからこそ、「安易に内定が出易い企業ばかりを探すのはリスクが高い」ということを、しっかりと肝に銘じるべきだろう。

(労働経済ジャーナリスト 小林美希)
http://diamond.jp/series/analysis/10042/?page=4


★ノンワーキング・リッチ
  池田信夫Blog 2008-06-30 / Economics

「ワーキングプア」が消費しつくされたら、今度はその批判で飯を食おうということらしいが、
いい加減うっとうしいので、ここでまとめて書いておく。

先日の秋葉原事件の犯人も、年収は200万円というから、韓国の一人あたりGDPぐらいで、
絶対的基準でみれば「プア」とはいえない。精神異常者というのは一定の確率でいるので、
こういう突出した事件を一般化することはできない。ブルーカラーの待遇は労働需給の
従属変数なので、それ自体を「是正」することは無意味だ。「日雇い派遣」の禁止は、企業が
アンケートに答えているように、(もっと不安定な)アルバイトに置き換わるだけである。

問題はワーキング・プアではなく、その裏側にいる中高年のノンワーキング・リッチである。
私のNHKの同期は、今年あたり地方局の局長になったが、話を聞くと「死ぬほど退屈」だそうだ。
末端の地方局なんて編成権はないから、ライオンズクラブの会合に出たり、地元企業との
ゴルフコンペに参加したりするのが主な仕事で、「あと5年は消化試合だよ」という彼の
年収は2000万円近い。

日本経済の生産性を引き下げて労働需要を減退させ、若年労働者をcrowd outしているのは、
こういう年代だ。彼らは世間的には、それなりの地位について高給を取っているが、本人は「生ける屍」
である。年功序列などという愚かな雇用慣行がなければ、まだ現場で働けるのに、こうして「座敷牢」で
50代を過ごす。官僚の場合は、特殊法人に天下って税金を浪費する。

経済の生産性を決めるのは、人口の5%ぐらいの意思決定を行なう人材の質である。かつては優秀な
人材が製造業に集まって世界進出を果たし、日本経済を牽引した。しかし産業の軸が製造業から
外れたあとも、彼らは衰退する製造業に残り、それにぶら下がる非生産的な銀行や官僚機構でも、
優秀な人材が大量に社内失業している。こんな状況は日本経済にとっても迷惑だし、彼らも幸せではない。
こうしたノンワーキング・リッチを強制的に早期退職させ、その退職金を増額して起業させる政策
というのはとれないものか。

http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/a987f0c09891c37d89e493a8895688a0

社員が壊れる【5】社員酷使に未来はない

* 2008年11月14日 金曜日
* 日経ビジネス

成果主義  非正規労働者  労使関係  鬱病  ES  いじめ 

 人員削減、成果主義の導入、非正規雇用者の活用…。1990年代初頭のバブル崩壊以降、日本企業はそれまでの雇用慣行にメスを入れることで激しい環境の変化を生き延びた。その一方で、日本企業の競争力の源泉、社員に深刻な危機が訪れる。日経ビジネスが描いた日本経済の40年、かつて「気楽な稼業」と流行歌に歌われた世界に訪れた変化は今も経営の大きな課題だ。

* * *

2005年10月24日号より

 価値創造の源である「人」を不幸にしたままでは、繁栄は続かない。
リストラに追われた企業はここ数年、その当たり前の事実を忘れていた。
バブル期に匹敵する好業績の今こそ、社員重視へ舵を切る時だ。

(松浦 由希子、篠原 匡、中野 貴司、小路 夏子)

 「先行きが見通せず、安心してローンも組めない社員が、会社の将来を考えるわけがない。企業がリストラや賃下げなどの『切る論理』で最高益を上げても、結局、タコが自分の足を食べて死んでいくようなものだ」

 昨年ビジネス書のベストセラーとなった『虚妄の成果主義』の著者、高橋伸夫・東京大学教授は、今の日本企業の経営を痛烈に批判する。

 グローバル競争が激化し、企業が経営効率化を徹底追求する陰で、労働者は明らかに疲弊してきた。前章までに見てきたように、現場で働く日本人の多くは今、企業業績の回復を実感できずにいる。

 正社員が減る一方で、派遣やパートといった「いつでも切れる」非正規労働者が急増し、雇用と所得の2極化が一気に進んだ。総務省の労働力調査によると、今年4~6月の平均正規雇用者数は3408万人で、非正規雇用者数は1624万人。5年前と比べ、正規雇用者は222万人減り、非正規雇用者は 351万人増えた。その結果、役員を除く雇用者全体に占める非正規雇用者の割合は26.0%から32.3%に拡大した。

 働き方の多様化と言えば聞こえはいいが、実態はそんなにきれいな話ではない。「正社員は労働強化を強いられ、非正規雇用者は雇用不安と低賃金に甘んじなくてはならない。コインの表と裏のようなもので、どちらにしても労働者の肉体的、精神的負荷は強まるばかりだ」(労働問題に詳しい中野麻美弁護士)。
「競争のしわ寄せが職場に」

 効率最優先の経営システムに組み込まれた労働者は悲鳴を上げ、労使関係はすさんでいく。厚生労働省によると、都道府県の労働局や労働基準監督署に持ち込まれる「民事上の個別労働紛争」の相談件数は、2004年度に16万166件に達した。相談内容の内訳は「解雇」が27.1%で最も多く、「労働条件の引き下げ」(16.0%)、「いじめ・嫌がらせ」(8.1%)がこれに続く。
グラフ・個別労働紛争に関する相談件数の推移

 相談件数は2年前と比べて55%増えており、企業業績が回復し始めた後も労働環境の厳しさは変わらないことを示している。件数が増える中で、相談内容の内訳に占める「いじめ・嫌がらせ」の比率は2.3ポイント増加した。

 労働者の権利を守るための相談活動などに取り組む法律家団体「日本労働弁護団」の事務局長、小川英郎弁護士は言う。「ここ数年、会社都合による整理解雇の相談が減る一方で、懲戒解雇、規律違反などを理由にした解雇や、職場でのいじめ・嫌がらせの相談が著しく増えている。厳しい競争を強いられる中で企業が余裕をなくし、そのしわ寄せが職場の歪みとなって表れている」。

 先日は、自宅で発作的に叫び出し、マンションから飛び降りかけた会社員が、妻に付き添われて相談に来た。「本人は疲れ果てて考える余裕を失っており、両親や妻が相談を持ちかけてくるケースも多い」(小川弁護士)という。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/person/20081112/177047/
 強いストレスに苛まれる人が増える中で、自殺や鬱(うつ)病の増加は深刻な社会問題となってきた。厚労省の2002年の調査によると、鬱病患者数は推定5万4600人に達し、1999年から63%増加した。この数字は入院か外来で治療を受けている患者の推定数であり、実際に鬱病や過度なストレスに悩まされている人の数は数百万人に上ると見られている。
グラフ・鬱病推定患者数の推移

 「鬱病患者で圧倒的に多いのが30代、40代の働き盛りの管理職。成果主義などが導入され、休む暇もなく仕事をこなしていかなければならない。常に時間に追われて働いているのに、評価では報われずに精神を病んでいく」。複数の企業で産業医を務める東邦大学医学部付属佐倉病院の黒木宣夫助教授は現状をこう分析する。

 会社側は産業医やカウンセラーの導入で、従業員の精神面のケアを充実させる動きを見せている。しかし、「その前にまず職場環境の改善や、人事評価制度の見直しに取り組むべきではないか」(黒木氏)――。

 そもそも「切る論理」による徹底したコスト削減は、バブル崩壊後に日本企業がこぞって米国から輸入した経営手法だ。

 企業活動のムダを可能な限りそぎ落とし、短期的な利益極大化を追い求める。そうした米国流資本主義では、企業のステークホルダー(利害関係者)として株主の地位が上がり、従業員は相対的に軽視される傾向が強まった。
米国は先行して見直し

 80年代、不景気に苦しんだ米国では、リストラの嵐が吹き荒れた。米ゼネラル・エレクトリック(GE)のジャック・ウェルチ氏(当時CEO=最高経営責任者)は10万人を超す人員削減を実施し、「ニュートロン(中性子爆弾)・ジャック」と揶揄されつつも、大胆な事業再編で株主価値を劇的に高め、カリスマ経営者の名をほしいままにした。

 90年代には米IBMのルイス・ガースナー氏(当時CEO)が数万人規模の大リストラ、不採算事業の売却を断行し、“巨象”を立て直す。こうした動きはその後、米国産業界全体に広がり、景気が回復しても、経営効率化の流れは弱まるどころか加速していった。

 しかも、その間、IT(情報技術)革命によって、ホワイトカラーを中心に人々の働き方が激変した。インターネットや携帯電話は仕事に便利な半面、業務遂行のスピードを速め、会社を離れても指示や連絡に追われる「テクノストレス」を生んだ。雇用不安と仕事に追われる強いストレス。その姿はまさに今の日本と重なる。

 だが、日本より先にこの問題に直面した米国では、効率だけを重視した経営を見直す機運が高まっている。切る論理は組織を破壊し、業績にも負の影響をもたらす。逆に従業員を大事にすれば、利益は後からついてくるという考え方だ。

 米ザ・グレート・プレイス・トゥ・ワーク(GPTW)インスティチュートは、その名の通り、社員の働きやすさに主眼を置く人事管理コンサルティング会社だ。米経済誌フォーチュンはGPTWの協力を得て、毎年「全米で最も働きやすい会社100社ランキング(フォーチュン・ベスト100社)」を発表している。評価の重点は従業員の満足度に置かれ、「経営陣に対する信頼感」「仕事に対する誇り」「同僚との連帯感」が中でも重要な軸となる。
グラフ「フォーチュン・ベスト100社の株価上昇率」

 ランキング上位の常連企業、ソフトウエア大手の米SASインスティチュート。「満足した従業員は満足した顧客を生む」を経営理念に掲げ、スポーツ施設や食堂、託児所など、福利厚生の充実に力を入れる。

 根底にあるのは、働きやすい環境を作れば、優秀な人材が集まり、意欲的に働く社員が顧客満足、ひいては会社の成長を生むという考え方だ。実際、年間離職率が20%を超す企業がざらにあるIT業界で、同社の離職率は4%未満。一方で、常に1000人を超す入社希望者がいるという。

 長期的に見れば、株主の利益と社員の利益は相反するものではない。

 98年から2004年にかけて、米国の代表的な株価指数であるスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)500とラッセル3000の上昇率は5%程度だった。これに対し、1998年にフォーチュン・ベスト100社の株を買い、清算せずに保有し続けた場合、その投資利回りは10.6%に達する。毎年発表されるベスト100社の銘柄を入れ替えたとしたら、利回りは15.6%にも上る。いずれの場合もパフォーマンスは市場平均を上回る。

 日本でも社員に痛みを強いる経営の弊害に気づき、方向転換を試みる企業が出てきた。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/person/20081112/177047/?P=2
 建設機械大手、コマツの坂根正弘社長は昨年夏、「非正社員を正社員に登用せよ」と幹部に指示を出した。国内工場の全従業員のうち、約4割を期間工や派遣・請負社員が占めるようになった現状に危機感を抱いたからだ。

 コマツは2002年3月期に希望退職などの大リストラを実施し、806億円の赤字に陥った。しかし、その後、中国など海外市場の需要拡大で、業績は急回復。今期の最終利益は930億円と2期連続の最高益を見込む。

 工場に必要な人手のある程度を期間工や派遣社員に頼るのは、やむを得ないと坂根社長は考えている。しかし、それが行き過ぎると、現場のモラルが低下し、ひいては品質が悪化する。坂根社長が正社員への登用を指示したのは、実際に工場でそうした問題が表面化し始めたからだ。

 昨年10月以降、非正社員から正社員になった人の数は合計187人に上る。また、業績向上に応じて利益を社員に還元するため、社員の今年度のボーナスも平均184万円とし、前年度から14万円引き上げた。
アルバイトも株価上昇で恩恵

 「社員が大事なのは、当然のことだ。そういう質問が出ること自体、情けないと思っている」。今年4月1日、この日就任したばかりの青井浩・丸井社長は、同社の労働組合、マルイグループユニオンの幹部約90人を前に、率直な思いを口にした。「従業員は、会社が自分たちを大事にしてくれているか、不安に思っている」と、ユニオンの深見元中央執行委員長から問いかけられた時だ。

 丸井は2003年10月、社員の95%を子会社に転籍させる大がかりな組織再編を断行した。同時に、給与に占める年功部分を全廃し、成果主義を徹底。社員には痛みを伴う改革だった。

 「本来なら組織の改革は経営の方向性を示すのとセットで行うべきだったが、方向性が定まらないうちに、組織改革を先行させてしまった。そのため、社内に不安感が広まった」。青井社長は2年前の改革をこう振り返る。その反省から、従業員に経営情報を徹底的に開示するようにして、今は「全員参加型の経営」を掲げる。

 その具体策の1つが、今年6月に決めた全社員へのストックオプションの付与だ。社員の頑張りで、業績が上向けば、株価も上がる。その恩恵を外部株主だけでなく、社員も受けられるようにした。アルバイトにも、株価上昇にボーナスで報いる疑似ストックオプションを用意した。

 5年後に営業利益とROE(株主資本利益率)を倍にするという目標をはっきり打ち出したこともあり、ここにきて社員の目の色が変わり始めた。経営管理の意識が高まり、日々の売り上げだけでなく、粗利益まで記録する売り場も出てきた。「うちの株、上がっているよね」と若い社員が自然に口にする。組合もほとんど毎日、自主的な接客研修などを開く。

 社員重視の姿勢を強く打ち出すのは、坂根社長や青井社長だけではない。 経営再建中のダイエーの林文子会長は、「CS(顧客満足)の前にES(従業員満足)ありきというのが、私たち経営陣の基本的な考え方」と強調する。産業再生機構の支援を受ける前は、CSがお題目のように唱えられる一方、度重なるリストラで従業員が疲弊した。新しい経営陣の胸の内には、そうした過去への反省がある。

 売上高経常利益率が30%を超える高収益企業、リクルートの柏木斉社長も、「顧客に提供するサービスを作るのは社員。良いサービスを生み出すためには、社員の意欲、能力を最大限に引き出す努力が欠かせない」と話す。

 バブル崩壊後、15年にわたる締めつけが社員に残した傷跡は大きい。働いても働いても給料が増えない不条理感、人生設計もまともにできない将来への不安感。そんな思いを抱えた労働者のモラルが高まるわけがない。
社員の幸せに目を向けよ

 ある意味、社員を犠牲にして達成された日本企業の最高益。しかし、社員から絞りつくしたところで効率化には限界が訪れる。逆に品質や生産性の低下といった負の影響が表れ、企業の成長は止まりかねない。信頼感の喪失によって社員の帰属意識が薄れれば、当然、技術の継承もままならなくなるだろう。疲弊して不満を抱えた社員は企業にとってリスクと化す。

 人を中心に据えた「人本経営」を唱える伊丹敬之・一橋大学教授は、「日本企業が反省すべきはバブル崩壊後の景気低迷下でも1990年代半ばまで賃上げを続けた『オーバーラン』の部分だ」と指摘する。「その後の賃下げでオーバーランがほぼ解消した今、企業は最大のステークホルダーである社員との関係を問い直す時期に来ている」。

 企業間競争が激しさを増す中で、昔のままの日本的経営に戻るわけにはいかない。だが、どんな事業であれ、価値を創造し、成長を生むのは「人」だ。

 現場で働く人が高度な資本主義の歯車となる現代版「モダン・タイムス」に未来はない。社員の幸せに目を向けなければ、企業の成長は続かない。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/person/20081112/177047/?P=3
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冷凍力

  • Author:冷凍力
  • ニュース・コメント・ブログ「膳所狒々新報」主筆。
    立ち位置は外交安保教育刑事分野で右、社会経済分野で左。
    一応貴族で爵位は猴爵およびシーランド公国男爵。
    膳所の某所山奥に在住の好色酒好き秘湯ヲタの絶倫狒々(冷凍力)が戯言を宣います。キーワードは是々非々(部分否定・部分肯定/全否定・全肯定)。
    別荘は西九州。
    最近のマイ・ブーム・・・リョーユーパンのマンハッタン、湖池屋のカラムーチョ・スティック、キリンのストロング・セブン、Wエンジン、COWCOW、鈴木Q太郎(ハイキング・ウォーキング)のヤマタイコク(ヒミコサマ)、神戸蘭子、寺田ちひろ、佐々木希、新妻聖子、喜屋武ちあき、浜田翔子、中村静香、杉原杏璃・・・等々。


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今や朝日新聞を筆頭とする内外反日ファシストたちが協同して捏造した今世紀最大規模の対日歴史偽造ということが明白になってきた。このような反日プロパガンダを断じて許しておくわけにはいかない。
日本に”思想警察”を誕生させてはならない。この法案はそうなる可能性を秘めている戦後最悪の危険な法案である。
敵性傾向の濃厚な国内最大規模の一部外国人集団に国家統治権の一部たる地方統治権=外国人参政権を付与するという日本開闢以来最悪の愚挙を断じて許してはならない。これは正真正銘真正の売国行為であり、100%違憲行為である(某傍論のごときアタマノイカレタトンチキ理論は完全除外)。

特亜政府地方参政権保持特別永住者地方政府日本政府

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